Life_log

「無人地帯」NoMan's Zone

* 「Uちゃんは、もう双葉に戻る気はないみたいね。Y子ちゃんは郡山に移ったけど」 今月のはじめ、警戒区域内における国の除染モデル事業がまもなく開始されるというニュースをテレビで見ながら、母がそう言っていた。 ** 母と伯母は福島県双葉町の出身だ。祖…

Unter Kontrolle / アンダー・コントロール

■ 映画『アンダー・コントロール』公式サイト 「見よ、原子炉の壮大な美しさ!」「これは反原発サン、怒るわけだ」 渋谷から宮益坂を上って、少し歩いたところにある狭い映画館の一階、壁に貼りつけられた週刊誌のレビューが、冒頭でそんなふうに茶化してい…

【GOMORRA】退廃と悪徳のミクロコスモス

映画『ゴモラ』 10月29日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムで公開 ここ最近、ギリシャが発火点となったユーロ危機が波及しつつあるイタリア。異常な暴言癖にも関わらず、返り咲きも含めて長く政権を維持した奇人宰相ベルルスコーニは退場したもの…

ガンマ線のように「美術」はあなたを変える

6日の日曜日、後輩や知人の作品を観るため、大学院を出て以来はじめて多摩美術大学の学園祭に出かけた。 同行した美大と縁のない友人が、一通り「美大という場所を回りたい」と言ったので、東と北の絵画棟、デザイン棟、彫刻棟、新しい芸学&情報デザイン棟…

Beautiful Piano Improvisation by Tony Perez

数日前、Youtubeをフラフラ彷徨っていたら、素晴らしい「セッション」を見つけた。 キューバのハバナ市街、老朽化した民家の一室でラフに撮影された、しかしまるで映画のように美しい1幕。 ピアノを弾いているのは、彼の国に多数存在する優秀な奏者の中でも…

「嘆き」より「希望」を語ることについて

少し古いニュース(?)だが、小説家の金原ひとみが、被曝を懸念して子供と岡山に疎開しているという話を知った。東京には戻りたくないそうだ。 【制御されている私たち 原発推進の内なる空気 金原ひとみ(東京新聞)】 この短いテキストは非常に切迫した調…

「ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で」

「ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で」 http://www.cinemarise.com/theater/archives/films/2008004.html 前回のシネマライズ上映時には見逃していた作品。 月の頭、後輩に誘われふいと気が向いて観ることにしたのだが、予想以上に濃密で刺激的な内容だった…

【監督失格】

「監督失格」公式サイト http://k-shikkaku.com/index.html 8日の木曜、バイトが終わってから六本木へと出かけた。 カルトAVの雄として有名だったという監督の平野のことも、飲酒と安定剤による事故で亡くなったという女優のこともまったく知らなかったのだ…

【西へ、2011】3/3 甲子園、あるいは装置としてのスポーツ観戦

【西へ、2011】2/3からの続き。 和歌山〜三重をまわった翌29日、昼前にNさんと分かれ、今度は奈良に住む野球狂の友人Zさんと阪神甲子園球場に出かけた。一度くらいは行ってみたいと思っていた場所で、滞在中にタイミングよく阪神タイガースと横浜ベイスター…

【西へ2011】 2/3 中上健次を通り抜ける

西へ、2011(1/3)からの続き。 大阪で降りた目的も、昨年と同じく府内および近隣県に住む友人数人と会うことが中心だったが、滞在した約3日のうち1日は中上健次の物語世界の舞台である和歌山〜三重を、電車でぐるりと、「通り抜けた」。 新大阪発「特急オー…

【西へ、2011】1/3 岡山からはじまる

西へ、2010 もう一年が経ってしまった。「もう…経った」これは何度書いても褪せることがなく、新鮮な驚きと愕然とした思いが脳に飛来する。 いつもより一週間ほど時期がずれたが、今年も7月26日から31日のあいだ、鈍行を使ってぶらぶらと西日本の友人たちを…

原子力から種苗へ 〜緑のカーテン日記(ゴーヤ)/2

原子力から種苗へ 〜緑のカーテン日記(ゴーヤ)/1 はてなフォトライフ「緑のカーテン」 「緑のカーテン」を開始して、約三週間が経過した。 適当に水と肥料を与えるだけという超ずさんな管理で果たしてまともに育つのかと思っていたが、予想以上にぐんぐ…

告知:映画美学校公開レクチャー【Different!Cuban music!】

イベントの告知、および宣伝です。 以前、【公開特別講義 キューバ・アンダーグラウンド】という、渋谷・映画美学校でのイベント告知を行いましたが、今回はそれに引き続くものとして行われる、「キューバ音楽」に関するレクチャーです。 上掲の通り【異形な…

緑のカーテン日記(ゴーヤ)/1

先月の中頃だったか、NHKのニュース番組に、福島第一原子力発電所から僅か二十数キロの距離にある南相馬の農家の方が出演し、取材を受けていた。 原発事故による経済的な被害を克服する為、種苗農家が中心となって「南相馬市震災復興に取り組む農業者の会」…

「Kassim The Dream」

2011年6月18日の土曜(現地時間では17日夜)、つまり昨日だが、パナマのアリーナ・ロベルト・デュランでHORA CEROと銘打たれた大きなボクシングの興行が行われた。 ダブルメインで二つの世界タイトルマッチが組まれ、まず一つはパナマ出身のWBAバンタム級王…

雑感:【キューバ・アンダーグラウンド】

怒涛のように日々が過ぎてしまい(これいつも言ってる気がするが…)、五月が終わってしまった。 前回のエントリであまりにも急に告知した【キューバ・アンダーグラウンド】は、今さらではありますが、おかげさまで無事に終了しました。 思ったより(失礼!)…

告知:【公開特別講義 キューバ・アンダーグラウンド】

どんだけ急だよ!って話ですが… 明日の午後、ぼくもささやかながら実現への協力をさせて頂いたトーク・イベントが渋谷の映画美学校にて行われます。 【公開特別講義 キューバ・アンダーグラウンド 21世紀 キューバ文化の私的観測】 上映される作品を作った作…

100,000年後のあなたに

十万年、という時間について考えてみよう。 十年ではない。じゅうまんねん、だ。 Hundred thousand years=100,000年。 ウィキペディア【地球史年表】によれば、約10万年前に、アフリカ大陸からホモ・サピエンスが、つまり「我々」が世界へと移動を開始した…

第六回「新宿文藝シンジケート」読書会

既に10日が過ぎてしまったが、4月23日の土曜日に、第六回「新宿文藝シンジケート」読書会が行われた。 課題図書は二冊。片山洋二郎「オウムと身体」+竹熊健太郎「私とハルマゲドン」。 最初は読書会の代表、サエキ・カズヒコさん(id:utubo)(http://twitter.…

多摩丘陵・散歩日記・Part.2

Part1からの続き 旧聖蹟記念館がある公園からすぐのところに位置する慰霊苑には、「拓魂」と掘られた石碑が据えられている。 「満州開拓殉難者之碑」と名付けられたその慰霊碑は昭和38年に建立されたもので、敗戦後に満蒙から引き揚げてきた開拓移民関係者が…

多摩丘陵・散歩日記・Part.1

先週のこと。完全に散ってしまう前にと、自宅から歩いて三十分ほどの都立桜ヶ丘公園・大谷戸公園へ桜を見に行った。 ここは多摩丘陵に三つの公園が重なって形成される場所で、中心部の「旧多摩聖蹟記念館」周辺は地味ながら独自の雰囲気を持った桜の名所だ。…

3月11日からの33日間

【報告:私事ですが、9日付けで29歳になっています】 とても久しぶりの更新。 Twitterウィジェットを見てお分かりの通り、ぼくは、生きています。 生きています、なんて書いた以上、再開一回目は、やはりどうしたっていまも世の中を騒がせていることに関して…

日本語表現のオルタナティブ、としての岡田利規

前回のエントリでは、チェルフィッチュの最新公演についてのレポートを書いたが、もともとぼくは岡田利規の小説、および戯曲で用いられている研ぎ澄まされた日本語に魅せられた人間である。 「超リアル日本語演劇」 「だらだらとした現代の若者言葉の驚異的…

チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」

2月15日(火) ついにチェルフィッチュを観た。神奈川芸術劇場での千秋楽。 あくまで「作家・岡田利規」のファンなので…、ということを理由にかれの指揮する舞台は一度も観たことがなく、この公演情報も直前になって知ったというぐらいに不熱心&情弱なぼく…

ボクシング/日本ミドル級/タイトルマッチ

2月14日(月) 後楽園ホールでボクシングを観る。日本ミドル級タイトルマッチ10回戦。 アルバイトをしているデパートに、配送の仕事で訪れる氏家福太郎さんが挑戦者として出場するため、応援に出かけた。かれの応援は、9月の挑戦者決定戦を観に行って以来、…

メモ/音楽的散財/リスト

前回エントリで「WE DON'T CARE」を観に行ったことを書いたが、それに刺激されたこともあり、久しぶりに音響やトロニカ系のアルバムを発作的に買い漁る。今年に入って初の音楽散財。 音源の候補選定は、今回も「デンシノオト」を全面的に参考にさせて頂く。 …

「WE DON'T CARE」を観たのである

2月4日(金) ユーロスペースのレイトショーで、日本の大量消費社会とノイズ・ミュージックシーンをミックス・ドキュメントした映画「WE DON'T CARE」を観る。火曜日に「冷たい熱帯魚」に出かけたのと同じ顔ぶれ。 渋谷のモスバーガーでマック、モス、バーガ…

メモ/ノート/藝大卒展/散髪のこと

2月3日(木曜) アルバイトを終えたあと、ひさしぶりに上野まで足をのばし、東京藝術大学の卒業制作展に出かける。 この日は最終日。都芸時代の同級生だった、山田という友だちが油画棟にて展示をしていたので、それを観に行った。 多浪に多浪を重ねたかれが…

メモ/素描/日録.2/1〜2/2=冷たい熱帯魚/春節・旧正月・恵方巻き

2月1日(火曜) アルバイトを終えたあと、テアトル新宿でチケットを三枚買い、夕方まで西武新宿駅近くにあるルノアールで作品と睨み合って過ごす。ノートブックの前で腕組み。どうやら、当初の予定より枚数が短くなりそうだ。革命についてどの程度書くかで思…

メモ/ノート=劇団東京乾電池【月末劇場】@ゴールデン街劇場 

夕方から、ゴールデン街劇場で、劇団東京乾電池の「月末劇場」を観た。 芝居にはほとんど興味がないのだけれど、アルバイト先で一緒に働いている役者の有山尚宏さんが出演していて、せっかくだからと、出かけたのだ。 フラッとあらわれた、妙に派手な服装の…