メモ→/キューバ史/独裁/いくつかの資料

  • 最近、小説の参考にと、革命以前のキューバ史を軽く復習している。
  • すると、彼国の革命とも浅からぬ関係にある、他のラテンアメリカ諸国の(かつての)【独裁者】についても興味が湧いてきた。
  • 前回のエントリでも書いたが、いわゆる【キューバ革命】は、左翼的ロマンティシズムに基づくゲバラカストロ英雄伝説に矮小化しないことはもちろん、それ単独としてでもなく、包括的な中米政争史の一部として、時間的・地理的に長く広いスパンで観察すると、もっと面白いように思える。
  • もはや笑うしかないほど、圧倒的で容赦ない暴力の積み重ねが繰り返される、その1シーンとしての……。
  • そんなわけで、wikiや有志のウェブサイトをあれこれ読み漁るのと同時に、地元の図書館で何冊か小説を予約した。




  • ホセ・ソレル・プイグ【ベルチリヨン166】キューバ革命成功直後に出版されたもので、このサイトによれば、ソレル・プイグは独学の中年労働者であり、作品はキューバ革命を描いた最初の小説」だといわれている】そうだ。
  • 紹介文を読む限り、ゲバラカストロ英雄伝説ではあまり触れられない、地方都市部における政府軍/民衆の闘争ディティールが参照できそうで、興味深い。
  • ソレル・プイグと違って著名な亡命作家カブレラ=インファンテ書いた二冊で取り上げられるのも、同じく革命前夜のキューバおよびハバナだ。これは、以前に長編を書いたとき、ざっと目を通している。
  • 短編集である【平和のときも戦いのときも】の方には、バティスタの狂気によって次々に命を落とす大衆の姿が短編の間のさらに短い断章として何度も挟みこまれる。【ベルチリヨン166】と比較して、もう一度読んでみたい。
  • ぼくが敬愛してやまない、亡きレイナルド・アレナスも、「すばる」1987年6月号に掲載された短編【パレードがはじまる】野谷文昭訳)で、一人の少年の視点を通し、その狂熱的な革命のクライマックスを独特の語りで活写しているが、これはのちにマリエル事件を材にとった【パレードが終わる】に比べ、政治的な告発の色合いは薄い。
  • 未読のものは余裕があれば丁寧に読み込みたいのだが、そうするといつまでも書けないという事態に陥るため、全部をぐぐっと集中して読むわけにもいかないのが、残念だ。