メモ/素描/日録.2/1〜2/2=冷たい熱帯魚/春節・旧正月・恵方巻き
2月1日(火曜)
- アルバイトを終えたあと、テアトル新宿でチケットを三枚買い、夕方まで西武新宿駅近くにあるルノアールで作品と睨み合って過ごす。ノートブックの前で腕組み。どうやら、当初の予定より枚数が短くなりそうだ。革命についてどの程度書くかで思案している。
- 16時15分に後輩、友人と待ち合わせ、買っておいた指定席にて「冷たい熱帯魚」を観たあと、歌舞伎町の爆安居酒屋「アルプス」に移動。160円のビールを飲みながら感想を交わし合う。
- 詳述はしないが、ものすごい映画だった。エロで、超グロで、狂気すれすれの大哄笑。
- なんていうと間抜けそのものだが、これほど興奮させられた映画は久しぶりだ。役者陣の尋常でない熱演がとにかく素晴らしかった。とりわけ、でんでん演じる殺人鬼「村田」のキャラクターは、ちょっと他に類例がないんじゃないかと思う演技のオリジナリティ。
- 「ボデーを透明にするんだ!」「あいつのボデーも透明にしちまえばいいんだから」
- しばらく、この言葉にうなされそうだ。
2月2日(水曜)
- 休日。夕方までは資料を読んだり、相変わらず考え事を。加速をつけて書くのはもう少しあとで。
- 19時まえに新宿。アルバイト先のセブンイレブンから恵方巻きを抱えてやってきた中国人留学生のMちゃんと西口地下交番前で落ちあい、徒歩で新大久保へ。駅前で脳化学系サラリーマン、ましばさん(仮)と合流。
- この日は春節(旧正月)を控えた大晦日のため、諸事情で帰省できないMちゃんとごくささやかに前夜祭。
- 彼女は朝鮮族なので、中華料理ではなく生マッコリが売りであるという韓国料理屋へ。どれも値段はそこそこ張ったけれど、美味。
- ましばさんは中国文化フェチであり、朝鮮語の勉強もしているので、目を泳がせながら「むむむ〜〜ニダ」とか「新年快乐」とかなんとかMちゃんに喋りかけながらマッコリを飲んでいたと思ったら、いきなり「最近はまってるんですよ、最近、はまってるんですよね」とiPadを取り出し、Youtubeで「少女時代」や「KARA」や「タモリのウソ外国語」を再生しはじめた。
- 「やっぱタモリってウケルわ〜!」と大笑いしている。
- 「この人の言葉はなんの意味でもないですよ〜」Mちゃんも、タモリの卓越した話芸を観ながらゲラゲラ笑う。
- iPadとwimaxとYoutubeの組み合わせで、いきなり出先がお茶の間モードに変化する(店がガラガラだったため、誰に遠慮する必要もなかった)。
- 観ているうちにましばさんのテンションがどんどん上がってゆき、マイケル・ジャクソン、ジャッキー・チェン、ドラえもん、キョンシー、ムーミン、一休さんなど次々に動画を再生しては、ひとり、笑いの連鎖反応。
- 「これはね〜おれら世代は絶対に知ってるあれだったりこれあれだったりするんですよ〜、ってか、わははジャッキーおもしれ〜、あとキョンシーが中国のイメージ、ねッ、そうですよね?いやってかマイケルやっぱすげ〜マイケルってすごいわ〜〜」
- 次第に、あまりにましばさんのテンションが高すぎることにMちゃんとぼくは若干引き気味になってしまったが、テレビ番組をめぐっての日中差の話題は面白いものだった。
- 彼女の兄は東京ラブストーリーの大ファンだったそうで、「お兄さんはむかし、彼女があの頭につけていたやつ(鈴木保奈美がしていたカチューシャ)とか、男の人の服(織田裕二が着ていたトレンチコート)をすごく欲しがっていましたよ〜」と言っていた。
- あのドラマが中国でも大流行した、というのはどこかで耳にしたことがあったけれど、実際に中国人から聞くと、より具体的で、興味深い。
- ぼくは最近個人的にリバイバルしているSPEEDの話題を振ってみたのだが、ましばさんはBody&SoulのPVを眺めながら、「うっわ〜、いま観てもやっぱりこの子、かわいくないですねえ!」としみじみ呟いていた。
- 「この子」が誰だかは、まあ、言わぬが花ということにしよう。