メモ=ベルチリヨン166/中上健次/言葉の説得性

先日のエントリーで触れた「ベルチリヨン」や「大統領閣下」等が(だれも借りる人がいないので)さっそく届いたため、自宅への帰り際に受け取る。 一緒に、「中上健次エッセイ撰集 文学・芸能篇」を借りる。 これまでも、借りては読み、返してまた借りてあち…

メモ→/キューバ史/独裁/いくつかの資料

最近、小説の参考にと、革命以前のキューバ史を軽く復習している。 すると、彼国の革命とも浅からぬ関係にある、他のラテンアメリカ諸国の(かつての)【独裁者】についても興味が湧いてきた。 前回のエントリでも書いたが、いわゆる【キューバ革命】は、左…

暗殺のアパルタメント

最近、またハバナを舞台にした長編とりかかっている。これで三作目になる。 この作品はもう二年以上にわたって、書いては中断し、再開しては中断し、そのあいだに別の短編を書き、そしてまた書き始めて、上手くいかず、、、、 という調子で「書きあぐねてい…

第三回新宿文藝シンジケート読書会メモ「山谷崖っぷち日記」2/2

第三回新宿文藝シンジケート読書会メモ「山谷崖っぷち日記」1/2 http://d.hatena.ne.jp/Hainu_Vele/20110115/1295080180 15日の晩、予定通り、新宿文藝シンジケートの第三回読書会が行われた。 今回は、課題図書が一種の私小説というか、随筆なので、前回、…

第三回新宿文藝シンジケート読書会メモ「山谷崖っぷち日記」1/2

今日は18時から歌舞伎町のルノアールで読書会がある。 課題図書は、今回もぼくが推薦した。大山史朗「山谷崖っぷち日記」だ。 第9回の開高健賞を受賞した怪作で、作者は軽度のうつ病と集団生活への不適応から日雇い労働者に転落し、長く山谷で暮らしている…

いま、SPEED、

前回のような、無駄にマニアックな音楽に関するエントリを挙げた直後にこんなものを書くと、音楽的人格の統合姓を疑われるのだろうか。 年末に何人かの友人たちとSkypeをしていて、「十代のときって、アイドルとか音楽とか、なにが流行ってた?」という話題…

(続)至福のアフリカン・ルンバ

※ 無用なお節介でしょうが、このエントリはリンクした動画を巨大音量でかけながら読むべきです! 最近、本文にリンクしたヴィクトリア・エレイソンのライブ音源を繰り返し繰り返し聴いている、というか、観ている。 いずれも無条件にぼくの「からだ」を高揚…

素描:1/8 ギャラリー・ルデコ「フレーム!フレーム!」

夕方から、渋谷・ギャラリー・ルデコで、友人である八代哲弥の参加したグループ展示「フレーム!フレーム!」を観る。 リンクしたDMにも書いてある通り、このグループ・ショーは、佐藤洋一というインディペンデントなギャラリストであり作家だった人物の活動…

憂鬱と思考停止の日本(2/2)

(1/2からの続き) アパレルの話題が一段落したあと、Tは、ここ十五、六年、世界経済の勢力図が大きく変わったせいで、日本は消耗戦の末、窮地に陥っているのに、政府も企業も現状維持にやっきになるばかりで根本的な刷新策を出せず、ばかりか考えている気配も…

憂鬱と思考停止の日本:アパレル(1/2)

大げさなタイトルになってしまった。 正月の三日に、名古屋から東京へ帰省していた友人Tと再会した。一昨年の大晦日に昼食を摂って以来だった。 Tは高校生のころ、予備校の夜間部でぼくと同じクラスだった男で、一浪してから入った都内の美大を出て、服飾の…

素描:大晦日から、正月

2011年が始まった。そして早くも正月が終わった。 ひとまずは、このblogを訪れて頂いた読者諸兄に、本年のご多幸あらんことを。 大晦日は結局友人が四人ぼくの家に集まり、地下で五人、ちまちまと酒を飲みながら、いつ日付が変わったかも分からないうちに(…

素描:2010.12.31

大晦日だ。 もうすぐ、2010年が終わるということだ。 「アッと言う間だった!」「年々、月日の経過が、早く感じる」 こうしたひどく月並みな文言ばかりが、強く「からだ」に実感される。そのたび、自分の語彙の凡庸さにたじろがざるを得ない。まさに、唖然と…

素描:「【素描する】こと」

Twitterを使う頻度が増しているせいか、エントリで社会通念的な意味での「日記」をほとんど書けていない。 春先にこのブログをはじめたころは、中原昌也の「作業日誌」やエルヴェ・ギベール「憐れみの処方箋」(しかし、これは本当に素晴らしいタイトル)の…

短編を終えたことと、書くこと/書かないことについて

いつの間にか、更新が一ヶ月近く滞っていた。 恐ろしいことだ。時間というのは、実際、物理的に伸縮するのではないか? ここ三週間は久しぶりに集中して短編小説に取り組んでいたから、エントリを書く余力がなかったのだ。 短編は、大学院のころに在籍してい…

チャイニーズ ガールズ@トウキョウ

◆ 今年の晩夏、Skype上で、中国から東京に留学している女の子と知り合った。 名前をMちゃんと言って、ハルピン生まれの朝鮮族だった。出自もあって、十代前半から日本語の勉強に熱心になった親日家だった。 7月に、日本語教育について学ぶため、外語大への入…

「コロンバイン 銃乱射事件の真実」

◆ 少し前からちまちまとページをめくっていた「コロンバイン 銃乱射事件の真実」をこの火曜日に読み終える。大変に刺激的な作品で、久しく忘れていたあの奇妙な殺戮の行為に関して、ぼくの認識を全く新たにしてくれた。 襲撃が行われてから既に10年の月日が…

画家の部屋@小崎哲太郎

高度 130.3x97.0(cm) oil on canvas 2010 気圧 oil on canvas 145.5×145.5 2009 ◆ 終わりつつある今秋の某日、取手まで遠征した。 予備校の先輩であり、先日結成された「新宿文藝シンジケート」の一員でもある画家・イラストレーター、小崎哲太郎さんの自…

メモ・第一回新宿文藝シンジケート読書会「哲学実技のすすめ」終了

◆ 以前のエントリでも紹介した、「新宿文藝シンジケート」の第一回読書会が、予定通り10月30日に開催された。 【新宿文藝シンジケート】公式ブログ http://d.hatena.ne.jp/sbs_reading_circle/ ◆ 当日まで人数は流動的な状態だったが、最終的に、この日の参…

Oval、来日(2/2)

(1/2からの続き) 渋谷慶一郎が登場すると、拍手と歓声が起きる。 この日はかれの出番を楽しみにしている客も多かったようで、周囲のサブカル女子たちの何人かがはしゃいで、ワーワー言っている。 あー渋谷さんありえないくらいカッコ良いってーー! ねーオー…

Oval、来日(1/2)

◆ 10月15日深夜から16日朝にかけて、異能のドイツ人音楽家、Ovalことマーカス・ポップの来日公演「Oval Japan 2010」を観るため、代官山UNITに出かける。 2010.10.15 FRI oval Japan 2010 http://www.unit-tokyo.com/schedule/2010/10/15/101015_oval.php ぼ…

新宿文藝シンジケート読書会について

◆ 10月30日から新宿文藝シンジケート=S・B・Sという集まりで読書会をすることになった。 定期か不定期かはまだ不明だけれど、今後、継続的に開かれていく予定だ。 ◆ 新宿文藝シンジケートは、元々ただ内輪の呑み会に遊びで名前を付けていただけなのだが、命…

愛の酔っぱらい賛歌

秋である。 ビールだけが最高であった季節は終わり、これから色々なアルコールがぼくらを楽しませてくれる気候となる。 それに合わせて、一つの詩を紹介したい。 日本人のみで編成されたハイレベルなキューバン・サルサ・バンド「Grupo chevere」などで歌手…

素描 : 「9.27」

◆ 朝から雨。わりと激しめの雨。ここのところ、下痢腹みたいな天気が続いていて、残念に思う。そのせいで、一気に気温も下がってしまった。 ぼくは日本人の一般男性平均よりかなり痩せているので、寒いのは苦手だ。 今年の猛暑はさすがにきつかったが、それ…

吉川陽一郎個展「街で迷うために」

◆ 9月19日、日曜。 平日と変わらずに粛々とバイトを終えたあと、大学時代からずいぶんとお世話になっている作家(いや、彫刻家、と呼ぶべきなのだろうか?)、吉川陽一郎さんの個展を見るため渋谷、ギャラリー・ルデコへむかう。吉川さんとは、三月にも仙川…

素描 : 9.23

◆ 朝から涼しい。 バイトに向かうため、駅へと走る躰を包む空気がひんやりと快適。雨の気配。天気予報どおり、午前の、帰宅途中から大雨。今日から一気に秋に切り替わるのだという。夏がついに送葬されるのだという。さびしい気もするが、躰は楽になる。 毎…

不可解さのバーネット・ニューマン

夏の終わりの佐倉「詣で」 ◆ いまや、世界にとって重大な日になってしまった「9月11日」の土曜、川村記念美術館まで、バーネット・ニューマンの「個展」を観に出かける。 展示の詳細は下記↓ http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/caf7259ef7eadc7a3e69073de65…

西へ2010。犬島と維新派

1 ◆ 徳山で回天を見た翌日、つまり、7月22日の14時前、ぼくは岡山駅の東口にある桃太郎像前に座っていた。人を待っていたのだ。 ◆ 待ち人と一緒に、瀬戸内海に浮かぶ犬島で、維新派という奇妙な劇団の公演を観ることになっていたのだ。 ◆ 待ち人の名前は、ナ…

アンヴィル!アンヴィル!アンヴィル!

※ 最近ようやくこの映画のDVDを買ったので、昨年、劇場で観た直後に書いたテキストを公開します。 何らかの創作による自己表現を、本気で、真剣に志す人間は、誰でも心のどこかで自分のやっていることの正当性を確信し、意欲と熱意を持っているものだ。 しか…

50年後のふたり

■ 今朝、3時50分ころ、フランス人の老婆から母へ国際電話がかかってきた。 ■ 電話をとったのはぼくだった。 5時すぎにはバイトへ行くため起床しなければならなかったから、そろそろ寝ようと思っていたところにリビングで突然着信音が鳴り出した。発信者番号…

西へ2010。徳山・回天.2

■ (前回からの続き) 深酒した翌朝の気分はいつも最低だ。 2時ころ泥酔いのままHさんとホテル前で別れ、ベッドにダイビングした記憶があるような、ないような状態のまま、朝7時には携帯電話の容赦無いアラームに叩き起された。当然ながら二日酔いの状態だっ…